

大沢池 / 大覚寺
大沢池は、大覚寺境内に位置する日本最古の人工池の一つで、平安時代初期に嵯峨天皇が離宮・嵯峨院を造営する際、中国の洞庭湖を模して築造されたと伝えられています。 池の周囲は約1キロメートルで、庭湖とも称され、当時は舟遊びなどが行われる文化の中心地でした。池内には天神島や菊ヶ島、庭湖石などが配置され、これらの二島一石の景観は、いけばな嵯峨御流の基盤となっています。特に菊ヶ島は、嵯峨天皇が菊を手折り花瓶に挿したことから、いけばな発祥の地とされています。 大沢池は、奈良の猿沢池、滋賀の石山寺とともに日本三大名月鑑賞地の一つとされ、特に中秋の名月には「観月の夕べ」が開催され、多くの人々が訪れます。また、池の周辺には護摩堂や石仏群、もみじロードなどの見どころが点在し、四季折々の風情を楽しむことができます。 現在、大沢池は国の名勝に指定されており、その歴史的・文化的価値が高く評価されています。
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