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焔硝蔵 / 大阪城

大阪城の西の丸庭園内に位置する焔硝蔵は、江戸時代に火薬を保管するために建設された石造りの火薬庫です。貞享2年(1685年)に大坂城代であった土屋政直の指揮のもとで建造されました。この建物は、床・壁・天井・梁(はり)に至るまで全て花崗岩で構成され、壁の厚さは約2.4メートルに達します。屋根の下には土が詰められており、耐火・耐久・防水性が高められています。このような総石造りの火薬庫は日本では他に例がなく、非常に珍しいものです。 焔硝蔵が建設された背景には、万治3年(1660年)に青屋口にあった土蔵造りの焔硝蔵が落雷によって大爆発を起こし、大阪城内外に甚大な被害をもたらしたという出来事があります。この事故を教訓に、幕府はより安全で耐久性の高い火薬庫の建設を目指し、現在の焔硝蔵が誕生しました。その後、昭和28年(1953年)に国の重要文化財に指定され、昭和34年(1959年)には内部の修復工事が行われ、創建当時の姿に復元されています。


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