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馬駐 / 清水寺

清水寺の「馬駐」は、参拝者が馬を繋いでおく役割を果たしていました。この建物は、室町時代の能楽師・世阿弥作の謡曲『熊野』にも登場し、当時から重要な施設であったことが窺えます。現在の馬駐は、応仁の乱後に再建されたもので、江戸時代にも改修が行われたと考えられています。そのため、室町時代から江戸時代にかけての建築様式が融合した特徴的な構造となっています。屋根は切妻造の本瓦葺で、内部は5つの仕切りがあり、同時に5頭の馬を繋ぐことが可能です。また、清水寺の七不思議の一つとして、手綱を繋ぐ金具(鐶)の向きが2箇所だけ異なっている「逆鐶」が存在し、その理由は未だ明らかになっていません。馬駐は1952年(昭和27年)に国の重要文化財に指定され、2010年(平成22年)には解体修理が行われ、現在もその歴史的価値を伝えています。


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