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東寺

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東寺は、京都市南区に位置する日本の代表的な古刹で、正式名称を「教王護国寺」といいます。794年、平安京遷都に伴い、都の東西の守護寺として建立されたうちの東側にあたる寺院で、西寺と対をなす存在でした。東寺は、平安時代初期に弘法大師空海が嵯峨天皇から託されたことをきっかけに、真言宗の総本山となり、密教の中心地として日本の仏教史に大きな足跡を残しました。 東寺の歴史は、平安時代の初めにまで遡ります。創建当初は国家の祈祷寺として機能しましたが、823年、空海が管理を委ねられたことで密教寺院へと転換しました。空海は、ここを拠点に真言密教の教えを広め、現在に至るまでその教義の基盤を築き上げました。東寺は空海の影響を受け、真言宗の教えと文化の発展に重要な役割を果たしました。 東寺の象徴的な建物の一つは、五重塔です。この塔は現存する日本の木造建築物の中で最も高く、国宝に指定されています。最初の五重塔は9世紀に建立されましたが、落雷や火災によりたびたび消失し、現在の塔は江戸時代初期、徳川家光の援助を受けて再建されました。塔内には仏像が安置されており、真言密教の宇宙観を体現する重要な空間となっています。 また、講堂には密教の世界観を表現する仏像群が安置されており、これらは「立体曼荼羅」として知られています。曼荼羅は仏教の宇宙観を表現した図像ですが、東寺ではそれを三次元的に具現化した仏像配置が見られます。この講堂の仏像群は、東寺の真言密教の精神を視覚的に示すものであり、多くの参拝者や研究者を魅了しています。


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