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講堂 / 東寺
東寺の「講堂」は、平安時代初期に建立された東寺の中心的な建物の一つで、密教思想の中心的な空間として重要な役割を果たしてきました。その起源は823年、嵯峨天皇が東寺を空海(弘法大師)に託した際に遡ります。空海はこの講堂を、密教の教義を視覚的に表現し、参拝者に教えを伝えるための場として位置付けました。 講堂内には、空海が構想した「曼荼羅世界」を具現化した21体の仏像が安置されています。これらの仏像群は、「立体曼荼羅」と呼ばれ、密教の宇宙観や信仰の核心を示す象徴的な存在です。中央に鎮座する大日如来像を中心に、菩薩や明王、天部が配置され、それぞれが密教の教えに基づく役割を担っています。この配置は、曼荼羅の平面図を立体化した形となっており、訪れる人々に圧倒的なスケール感と精神的な深みを与えます。 歴史的には、講堂は幾度かの自然災害や火災に見舞われ、その都度再建されてきました。現在の建物は、室町時代の再建によるものですが、空海の時代に制作された仏像群は多くが当時のままの状態で残されています。この点からも、講堂は日本の仏教美術や建築史において重要な位置を占めています。
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