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木造金剛力士立像 / 東大寺
東大寺南大門に安置されている「木造金剛力士立像」は、日本を代表する仏教彫刻の傑作のひとつです。この像は、運慶と快慶を中心とする仏師たちによって、鎌倉時代の1183年(文治元年)から1203年(建仁3年)頃にかけて制作されました。その迫力ある姿と緻密な造形美は、鎌倉彫刻の特徴をよく表しており、多くの人々を魅了しています。 金剛力士立像は、東大寺南大門の左右に安置されている二体の仁王像で、それぞれ「阿形」と「吽形」と呼ばれます。阿形像は口を開き、吽形像は口を閉じた姿をしており、この対称的な表現は「阿吽の呼吸」として知られる仏教的な思想を象徴しています。阿形像は力強さと剛健さを、吽形像は落ち着きと静けさを体現しており、二体で調和のとれた威厳を示しています。 これらの像は、寄木造という技法で作られており、いくつもの木材を組み合わせて形を作り、その上に彩色や仕上げを施すことで、精緻な彫刻を実現しています。像の高さは約8.4メートルで、躍動感あふれる筋肉の表現や鋭い眼差し、複雑な衣紋の流れなど、細部に至るまで圧倒的なリアリズムと技術の高さが感じられます。 金剛力士立像は、東大寺を外敵から守る守護神としての役割を果たすと同時に、その美術的価値においても非常に重要な存在です。
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