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知足院 / 東大寺

知足院は、東大寺の塔頭寺院で、890年(寛平2年)に高雄十禅師によって創建されたと伝えられています。その後、荒廃しましたが、1250年(建長2年)に東大寺別当の定親法印によって再興され、法相宗の研究道場として重要な役割を果たしました。現在の本堂は1863年(文久3年)に再建されたものです。 本尊の木造地蔵菩薩立像(重要文化財)は、鎌倉時代に造立された美しい仏像で、「文使い地蔵」として知られています。この名称は、平安時代末期の南都焼討で焼失した東大寺の再建に尽力した藤原行隆の娘が、亡き父の消息を知りたいと地蔵菩薩に祈願したところ、7日目の朝に地蔵菩薩の手に父からの手紙が握られていたという伝説に由来します。この地蔵菩薩立像は、毎年7月24日の地蔵会の前後に東大寺ミュージアムで特別公開されます。 また、知足院は「奈良の八重桜」の原木があった場所としても有名です。この桜は大正12年(1923年)に国の天然記念物に指定され、奈良県および奈良市の花となっています。現在、原木は枯れてしまいましたが、その子孫が境内に植えられており、例年5月初旬のゴールデンウィーク頃に可憐な花を咲かせます。


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