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本殿・拝殿 / 厳島神社

厳島神社の「本殿・拝殿」は、日本の神道建築の中でも特に重要で美しい例とされています。その歴史は古く、厳島神社自体は593年に創建されたと伝えられていますが、現在の本殿と拝殿の形式が整ったのは平安時代後期、特に平清盛が大規模な造営を行った12世紀ごろとされています。 本殿は、厳島神社の中心的な建築物で、主祭神である宗像三女神(市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命)が祀られています。この本殿は海の上に建てられた独特の構造を持ち、潮の満ち引きによって姿が変化します。この浮かぶような姿は神秘的であり、神聖な場としての象徴的な役割を果たしています。建築様式としては平安時代の「寝殿造」と神社建築の「神殿造」を融合させた独特の様式が採用され、鮮やかな朱色が目を引きます。この色彩は単に装飾のためだけでなく、防腐や魔除けの意味も込められています。 一方、拝殿は参拝者が神々に祈りを捧げる場として、本殿の正面に設けられています。拝殿も海上に張り出した構造で、朱塗りの柱と板張りの床が特徴です。この拝殿は神聖な本殿へと向かう重要な通過点であり、訪れる人々に神域の厳粛な雰囲気を伝えます。また、ここで行われる神事や舞楽は、厳島神社の文化的・宗教的な意義を深めるものとなっています。


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