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大鳥居 / 厳島神社

厳島神社の「大鳥居」は、海に浮かぶように建てられており、満潮時にはまるで水面に漂っているかのように見えます。この特徴的な配置は、厳島神社が「神の島」とされる厳島全体を神聖視していることに由来しており、その境界を象徴するものとされてきました。 現存する大鳥居の構造は1875年(明治8年)に建てられたもので、現在見られるものは8代目とされています。その材料には樹齢数百年を超えるクスノキが使用されており、その巨大な木材は長期間の保存を可能にするために慎重に選定されています。 鳥居の高さは約16メートル、主柱の直径は約10メートルにも及び、設計上、海底に杭を打ち込むことなく自重で立っており、この構造は伝統的な建築技術の粋を凝らしたものです。台風や波などの自然環境に耐えられるよう設計されており、地元の人々によって長年にわたり維持・修復が行われてきました。 大鳥居の歴史は古代に遡るとされますが、具体的な起源についての記録は曖昧です。ただし、厳島神社自体の創建が593年(飛鳥時代)にまで遡るという伝承があり、大鳥居もその頃から島の信仰の中心的存在として位置づけられてきたと考えられます。また、平安時代後期には、平清盛が厳島神社を再興し、大鳥居もその重要な一部として認識されるようになりました。以降、多くの人々から崇敬を集め、文化的・宗教的な意味を持つ象徴として存続してきました。 近年では、2020年から修復工事が行われ、2022年にその工事が完了しました。この修復は、未来の世代にその姿を伝えるための重要な取り組みでした。


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