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多宝塔 / 厳島神社
「多宝塔」は、厳島神社の一部として特に美しい仏教建築のひとつとして知られています。厳島神社自体は神道の施設ですが、多宝塔は仏教的要素を持つ建築物であり、日本の宗教的な融合を象徴する存在ともいえます。 多宝塔は室町時代、具体的には1523年(大永3年)に建立されました。この時期は、仏教建築が地方にも広がり、各地で高い技術を持った職人たちが活躍していた時代でした。塔の建立には、当時の領主や有力者たちの寄進が関与していたと考えられています。建築様式は「和様」「禅宗様」「大仏様」などの要素を取り入れた日本独自の仏塔であり、その名前が示す通り、仏教における宇宙観を象徴しています。 多宝塔は二重塔の形式を持ち、塔の基部は正方形、上部は円形を基調としています。この形状は仏教の教義を反映しており、下部が地上世界を、上部が宇宙や天上世界を象徴していると言われています。塔内には大日如来が安置され、仏教の宇宙的な調和と悟りの象徴としての役割を果たしています。 また、多宝塔は瀬戸内海と厳島の自然に調和するように配置されており、特に紅葉や桜が彩る季節には、その美しさがさらに際立ちます。塔の朱塗りの柱や屋根は、厳島神社の他の建築物と調和し、訪れる人々に深い感動を与えます。
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