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本殿 / 出雲大社

出雲大社の本殿は、現在の日本に現存する最大級の「大社造」の建築様式を有しており、独特の威厳と荘厳さを放っています。大社造は日本最古の神社建築様式の一つとされ、急勾配の切妻造の屋根や、その屋根を支える大きな千木と勝男木が特徴です。本殿の高さは約24メートルあり、檜皮葺の屋根がその威容を際立たせています。この本殿は1959年(昭和34年)に改修されたもので、国宝に指定されています。 歴史的には、現在の本殿の形式が整う以前、出雲大社はかつてさらに壮大な建物であったとされています。古代には高さ約48メートルにも及ぶ巨大な建物が存在したという記録や伝承があり、『出雲国風土記』や『平安時代の文献』にもその壮麗な姿が描かれています。これを裏付けるように、2000年以降の考古学調査では、現在の本殿の位置から直径1メートルを超える柱の跡が発見されました。この柱は、古代の出雲大社が途方もなく巨大だったことを物語っています。 歴史的には幾度も火災や地震の被害に遭いましたが、そのたびに再建が行われてきました。平安時代以降、信仰の中心としての地位は揺るがず、江戸時代には徳川幕府や全国の氏子からの寄進によって再建が進みました。 現在の本殿は、その壮麗さだけでなく、深い神聖性を湛える場所として、参拝者を迎え入れています。神楽殿や御神体を祀る場所としての役割を持ち、年中行事や神事が執り行われる中心的な場所です。また、「遷宮」と呼ばれる定期的な修復作業が行われ、建物と信仰が長く守り続けられている点も特徴です。


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