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三面大黒天 / 圓徳院

圓徳院には、特に注目される仏像として「三面大黒天」が祀られています。この仏像は、通常の大黒天像とは異なり、三つの顔を持つ珍しい形態をしています。 三面大黒天の中心の顔は、一般的に知られる富と豊穣を象徴する大黒天の姿です。しかし、その左右に配置された顔は、毘沙門天と弁才天を表しており、これによって仏教の三宝尊とも呼ばれる存在が一体化した姿となっています。この三尊の融合は、それぞれが持つ意味を強調し、豊かさ、知恵、そして護りを象徴するとされています。そのため、この仏像は、財運だけでなく学問、芸術、そして家内安全のご利益もあるとして広く信仰を集めています。 この像が圓徳院に安置されることになった背景には、北政所が深い信仰心を持っていたことが影響しています。彼女は秀吉の死後、圓徳院に隠棲し、その地で仏教への帰依を深める生活を送りました。三面大黒天は、彼女が持ち込んだか、あるいはその後の檀越たちによって奉納された可能性が高いと考えられています。この像は江戸時代以降も多くの人々から尊崇を集め、現在でもその独特な姿と深い歴史的背景が訪れる人々の関心を引いています。


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