

臥龍橋 / 平安神宮
平安神宮の「臥龍橋」は、庭園内に設けられた風情ある橋で、日本庭園の美意識を象徴するような景観の一部をなしています。この橋は、平安神宮の「神苑」と呼ばれる広大な庭園の東エリアに位置しており、庭園全体の趣に調和した存在感を放っています。 臥龍橋の名前は、その形状が「龍が地面に臥している(伏している)」ように見えることに由来しています。この橋は三つの大きな石板で構成され、それぞれが池の中を渡るように配置されています。これにより、訪れる人々がまるで池の上を歩いているかのような感覚を味わうことができ、庭園散策の特別な体験を提供します。橋を通る際には、水面に映る四季折々の景色や周囲の緑豊かな風景を楽しむことができます。 平安神宮自体は1895年(明治28年)に創建され、その神苑もその時期に造園が始まりました。臥龍橋が配置された東神苑は、昭和初期に京都出身の造園家である小川治兵衛によって手掛けられたものです。小川治兵衛は、自然の風景を巧みに取り入れた庭園設計を得意とし、臥龍橋の設計にもその特徴が色濃く反映されています。彼の手による臥龍橋は、単なる移動のための橋ではなく、水と石、自然が一体となった造形美を追求した作品といえます。 また、臥龍橋が架けられている池には、コイが優雅に泳いでおり、訪れる人々に静かな癒しのひとときを提供します。東神苑全体が四季折々の花や植物で彩られ、春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色と、異なる季節ごとに異なる魅力を見せてくれます。
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