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加茂季鷹 歌碑 / 城崎温泉

この歌碑は、江戸時代後期に活躍した歌人、加茂季鷹の功績を讃え、その和歌を後世に伝えるために設置されたものです。加茂季鷹は、1751年(宝暦元年)に生まれ、1824年(文政7年)に没した人物で、京都の上賀茂神社(賀茂別雷神社)に仕えた歌人として知られています。彼は有栖川宮職仁親王から和歌を学び、「雲錦亭」と呼ばれる場を設けて歌会を催し、文人や歌人と広く交流しました。その後、江戸に赴き、加藤千蔭らと親交を深めるなど、当時の文化人として大きな足跡を残しました。 歌碑に刻まれている和歌は、「朝なぎの末かせのせかせ 世の夢も うちぬとうかす 鐘の音かも」という内容です。この歌は、静かな朝に吹き抜ける風を通じて、人生の夢や悩みが儚く消え去る様子を詠んでおり、その儚さを象徴するように鐘の音が響いている情景を描いています。自然の情景を巧みに取り入れ、人生の移ろいや無常観を表現したこの歌は、加茂季鷹の詩的感性と深い思想を感じさせるものです。城崎温泉の温泉寺参道にあるこの歌碑は、訪れる人々に季鷹の和歌の世界を伝え、その精神に触れる機会を提供しています。


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