

桜門 / 大阪城
大阪城の桜門は、本丸の正面入口に位置する重要文化財です。その名称は、豊臣秀吉が築いた大坂城の二の丸にあった「桜の馬場」に由来し、門付近の桜並木にちなんで名付けられました。徳川幕府による再建時にもこの名称が継承されました。 桜門は、寛永3年(1626年)に創建されましたが、慶応4年(1868年)の明治維新の大火で焼失しました。その後、明治20年(1887年)に旧陸軍によって再建され、現在の姿となっています。再建時には、高麗門形式が採用され、左右の土塀も新築されましたが、戦後の台風被害で倒壊し、昭和44年(1969年)に復元されています。 門の両脇には「龍石」と「虎石」と呼ばれる巨石が配置されており、これらは江戸時代に「雨が降ると龍と虎の姿が浮かび上がる」と伝えられていました。また、桜門の手前には土橋があり、かつては雁木坂や石階段が存在していたことが発掘調査で明らかになっています。 桜門は、豊臣時代から続く歴史的な名称と、明治期の再建にもかかわらず重要文化財に指定されている点で、他に例を見ない貴重な遺構とされています。
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