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大谿川 / 城崎温泉

大谿川は、城崎温泉の中心を流れる美しい川で、その両岸には柳の並木が続き、訪れる人々に古き良き温泉街の情緒を感じさせる景観が広がっています。この川は温泉街のランドマーク的存在であり、訪問者にとってその独特の風情が一層温泉街の魅力を高めています。 大谿川には歴史的な背景が多く存在します。特に注目すべきなのは、1925年の北但馬地震がもたらした影響です。この地震によって、城崎温泉周辺は大きな被害を受けましたが、その復興過程で玄武洞から切り出された玄武岩が護岸に積み上げられました。この玄武岩は当時、船で運搬され、現在も川沿いの石垣として残り、過去の自然災害と復興の歴史を物語っています。玄武洞は現在では国の天然記念物に指定されているため、同様の手法で石材を利用することは不可能となっています。したがって、これらの石垣は極めて貴重な文化遺産として大切に保存されています。 大谿川に架かる橋もまた、この温泉街の景観に欠かせない要素です。これらの橋梁群は2006年に兵庫県の景観形成重要建造物に指定されており、歴史的価値と景観美を兼ね備えています。それぞれの橋は、異なるデザインでありながらも全体として統一感があり、川沿いを散策する人々の目を楽しませます。 また、この川は城崎温泉の奥山に源を発しており、温泉街を流れることで地域全体の風景を形作っています。その後、大谿川は一級水系である円山川に合流します。この流れは城崎温泉が自然と調和した土地であることを象徴しており、川が温泉街とその周辺の自然を結びつける役割を果たしています。


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