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宝物館 / 六波羅蜜寺
六波羅蜜寺は、平安末期から鎌倉時代にかけて、平家一門の繁栄と関わりを持ち、後に衰退の歴史をたどります。現在も重要な文化財を多数所蔵し、その多くが「宝物館」に展示されています。 館内には、平安時代から鎌倉時代にかけての仏像や工芸品が収蔵されています。その中でも特に有名なのが「空也上人立像」です。この像は、六波羅蜜寺の開祖である空也上人の姿を写したもので、口から六体の小さな阿弥陀仏が現れるという独特の造形が特徴です。これは、上人が念仏を唱えた際に、言葉が仏となって現れる様子を表現したものとされています。鎌倉時代に作られたこの作品は、仏師・康勝によるもので、動きのある写実的な表現が見事です。 また、「平清盛坐像」も六波羅蜜寺の宝物館を代表する重要な作品です。平清盛は平家を率い、日本の歴史に大きな影響を与えた人物であり、その肖像は鎌倉時代の作とされます。静かな表情と威厳のある姿が、当時の権力者の風格を伝えています。 さらに、宝物館には「地蔵菩薩立像」や「吉祥天立像」など、平安・鎌倉時代の仏像が数多く収められています。これらの仏像は、彫刻技術の粋を集めた作品であり、それぞれの時代の宗教観や美的感覚を反映しています。また、平家関連の品々や経典、装飾品なども展示されており、日本の歴史を物語る重要な遺産として大切に保管されています。 六波羅蜜寺の宝物館は、日本の仏教美術に触れることができる貴重な空間であり、歴史好きや文化に興味を持つ人々にとって必見の場所です。その展示品を通じて、日本の中世の宗教と権力の関係、そして仏像彫刻の美しさを深く味わうことができます。
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