

大覚寺
大覚寺は、嵯峨大沢町に位置する真言宗大覚寺派の大本山で、山号は嵯峨山、本尊は不動明王を中心とする五大明王です。この寺院は、嵯峨天皇の離宮を寺院に改めた皇室ゆかりの寺院であり、平安時代初期に創建されました。また、嵯峨天皇を流祖と仰ぐ華道嵯峨御流の総司所としても知られています。 境内には、日本最古の人工の庭池とされる大沢池があり、これは嵯峨天皇が唐の洞庭湖を模して築造したものと伝えられています。大沢池は国の名勝に指定されており、毎年中秋の名月の頃には「観月の夕べ」が催され、多くの参拝者や観光客が訪れます。 大覚寺は、後宇多天皇がここで院政を行ったことから「嵯峨御所」とも呼ばれ、日本の政治史にも深い関わりを持つ寺院です。また、南北朝時代には、当寺にちなんで「大覚寺統」と呼ばれる皇統が存在し、持明院統と交代で帝位についた歴史があります。 伽藍の中心には、嵯峨天皇ほか歴代天皇が書写した般若心経を収める心経殿があり、その前殿である御影堂、そして本堂にあたる五大堂などが配置されています。これらの建物は宮廷風の建築様式を持ち、皇室ゆかりの寺院としての風格を今に伝えています。 さらに、大覚寺は時代劇の撮影地としても知られ、境内の大沢池や明智門などが映画やテレビの撮影に頻繁に使用されています。その歴史的な背景と美しい景観から、多くの文化財が指定されており、国宝や重要文化財も多数所蔵しています。
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