名古曽の滝跡 image
audio

名古曽の滝跡 / 大覚寺

名古曽の滝跡は、京都市右京区の大覚寺境内に位置する名勝で、平安時代初期に第52代・嵯峨天皇の離宮であった嵯峨院の庭園に設けられたとされています。この滝は、平安時代末期成立の『今昔物語』によれば、平安時代初期の貴族であり画家でもあった百済河成が作庭したとも伝えられています。 名古曽滝は、かつてはかなりの水量があったとされますが、平安時代中期の公卿・歌人である藤原公任が「滝の音は 絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ」と詠んでいることから、平安時代中期には既に滝の流れが途絶えていたことが窺えます。 この滝跡は、京都市内に現存する最古の庭園遺構の一つとされ、国の名勝および史跡に指定されています。1994年(平成6年)から発掘調査が行われ、1999年(平成11年)に復元が完了しました。 2024年2月6日には、天神島から名古曽滝跡へと渡る檜造りの「名古曽橋」が完成し、約700年ぶりに橋が架けられました。これにより、天神島から名古曽滝跡へのアクセスが向上し、訪れる人々がより容易にこの歴史的名勝を楽しむことができるようになりました。


近くの音声ロケーション

Loading...